Myfxbookで自分のEA成績を分析・公開する方法【指標の読み方を完全解説】

// STEP 4-5 — MYFXBOOK ANALYSIS

EAを稼働させていると「なんとなく利益が出ている」状態になりがちです。しかし「感覚ではなく数字でEAを評価する」ことが、長期的な運用改善と破綻防止の土台になります。

この記事ではMyfxbookの主要指標を一つひとつ読み解き、「このEAは本当に機能しているか」を自分で判断できるようになることを目標にします。
① Myfxbookとは何か・なぜEA運用者に必要か

MyfxbookはFX口座のトレード履歴をリアルタイムで取得し、様々な統計指標として可視化してくれる無料のWebサービスです。MT4/MT5と連携するだけで、取引履歴から自動的に数十種類の指標を算出してくれます。

MT5の成績管理だけでは不足な理由
  • 損益の累計額しか見えない
  • ドローダウンが自動計算されない
  • 勝率・期待値が手計算になる
  • 成績の推移グラフが貧弱
Myfxbookで追加でわかること
  • 最大ドローダウン(金額・%)
  • プロフィットファクター・期待値
  • シャープレシオ・Zスコア
  • 曜日・時間帯別の成績分布
  • 通貨ペア別パフォーマンス
EA運用者にとっての本質的な価値:「今月いくら儲かったか」ではなく、「このEAのリスク・リターン構造が健全かどうか」を定量的に評価できること。特に複数EAを並行稼働している場合や、ナンピン・グリッド系EAのリスク監視に有効です。
② MT5口座をMyfxbookに接続する方法

接続方法は2種類あります。セキュリティの観点から投資家パスワード(読み取り専用)方式を推奨します。

✅ 推奨:投資家パスワード方式

MT5の口座に設定されている「投資家パスワード(読み取り専用)」をMyfxbookに入力して連携する方法。取引の実行権限がないため、万一Myfxbookへの不正アクセスがあっても資金が動かない。

セキュリティ:高
△ 代替:Myfxbook EA方式

専用のEAをMT5にインストールして直接データを送信する方法。接続は安定しやすいが、EAファイルの管理が煩雑になる。

セキュリティ:中
投資家パスワード方式の接続手順(概略) myfxbook.com でアカウントを無料作成
ダッシュボード → 「口座を追加」をクリック
MT5口座番号・投資家パスワード・サーバー名を入力
接続完了後、過去の取引履歴が自動取得される(数分〜数時間かかる場合あり)
以降はリアルタイムで取引が記録・集計される
③ 基本指標の読み方:利益率・勝率・取引回数
Gain(利益率)
基本中の基本

初期残高に対する現在の損益の割合。たとえば10万円スタートで現在12万円なら Gain = +20%。絶対金額ではなく%で見ることで、元手の違うEA同士を比較できます。

⚠ 注意:期間の長さを必ず合わせて比較すること。「1年で+20%」と「1ヶ月で+20%」は全く意味が異なります。
Win Rate(勝率)
単独では判断不可

全取引のうち利益で終わった割合。EA販売ページでよく「勝率90%以上!」と宣伝されますが、勝率だけでは運用の優劣を判断できません。

⚠ 重要:勝率70%でも「勝ち10pips・負け100pips」なら期待値はマイナス。勝率は必ず平均利益・平均損失とセットで見てください。
Trades / Avg. Trade Length(取引回数・平均保有時間)

取引回数はEAのロジックが「どれだけ機会を取っているか」の目安。平均保有時間はスキャルピング型(数分)か中長期型(数時間〜数日)かを示します。バックテストで想定した取引頻度とフォワードの頻度が乖離していないかを確認する指標でもあります。

Avg. Win / Avg. Loss(平均利益・平均損失)
勝率と必ずセット

1回あたりの平均的な利益幅と損失幅。Avg. Win ÷ Avg. Loss = リスクリワードレシオ(RR比)になります。RR比が1.0以上あれば1勝1敗でも収支がプラスになる設計です。勝率50%・RR比2.0のEAは、勝率90%・RR比0.1のEAより優れたリスク構造を持っています。

④ リスク指標の読み方:ドローダウン・プロフィットファクター
Max Drawdown(最大ドローダウン)
最重要指標

資産曲線の「ピーク(過去最高残高)から谷(その後の最低残高)までの下落幅」を%で示したものです。EAのリスクを測る最も重要な指標の一つです。

ドローダウンの種類と違い
Absolute Drawdown
初期残高から現在までの最大下落額。スタート地点からの損失の深さ。
Maximal Drawdown
任意の連続した取引における最大損失額。最も悪い連敗期間の深さ。
Relative Drawdown ← 重要
残高ピークからの最大下落%。「最悪どれだけ資産が減ったか」を元手比率で示す。
Current Drawdown
現在進行中のドローダウン。今ポジションがどれだけ含み損状態かを示す。
目安:Relative Drawdown が 10%未満 → 優秀10〜20% → 許容範囲20%超 → 要注意(EAタイプによって基準は異なります)
Profit Factor(プロフィットファクター:PF)
最重要指標

総利益 ÷ 総損失 で算出される指標です。PF = 1.0 が損益トントン、1.0以上で利益が上回っていることを意味します。

PF値 評価 コメント
1.0未満 損失超過 継続稼働は危険。ロジックの見直しが必要。
1.0〜1.3 要観察 利益は出ているが安定性が薄い。スプレッドコスト次第で転落しうる。
1.3〜1.8 良好 実用上の目安。多くの優良EAがこの範囲に収まる。
1.8以上 優秀 / 要検証 非常に良好だが、期間が短いと信頼性が下がる。サンプル数が重要。
⚠ PFは取引数が少ない(100回未満)と数値が不安定になります。最低でも100取引以上のサンプルで評価してください。
Recovery Factor(リカバリーファクター)

総利益 ÷ 最大ドローダウン で算出されます。「ドローダウンの痛みをどれだけ効率的にリカバリーできているか」を示す指標です。値が高いほど、同じリスクで多くの利益を得ているEAと言えます。目安として2.0以上あれば良好とされます。

⑤ 上級指標の読み方:シャープレシオ・期待値・Zスコア
Sharpe Ratio(シャープレシオ)

リターン ÷ リターンの標準偏差で算出される「リスク調整後リターン」の指標です。同じ利益率でも、成績のブレが小さいほど(安定しているほど)シャープレシオは高くなります。

目安:1.0以上が一般的な合格ライン。2.0以上なら非常に安定したEA。0.5未満はリスクの割にリターンが安定していない状態。
Expected Payoff(期待値)

1取引あたりの平均損益を金額で示したものです。「このEAを1回動かしたとき、平均的に何円の損益が期待できるか」を表します。

計算式:(勝率 × 平均利益)−(負け率 × 平均損失)
プラスであることが最低条件。マイナスなら取引すればするほど損失が膨らむ設計になっています。
Z-Score(Zスコア)
上級者向け

勝ち負けの「連続性」を統計的に検定する指標です。ZスコアがプラスならW(連勝・連敗が起きやすいトレンド追随型)、マイナスなら均等分布(ランダム性が高い)の傾向を示します。

実用的な使い方:Zスコアが大きくプラスの場合、「勝った次も勝ちやすい」傾向があるため、連勝中はロットを上げる戦略が理論上は有効。ただし過信は禁物。
AHPR / GHPR(平均・幾何平均保有期間収益率)

AHPR(算術平均)は単純な1取引あたりの平均リターン。GHPR(幾何平均)は複利効果を考慮した実際の成長率に近い指標です。AHPRとGHPRの乖離が大きいほど、成績のブレが大きい(リスクが高い)ことを意味します。両者が近い値であるほどEAの成績が安定していると言えます。

⑥ グラフ・チャート分析:資産曲線から何を読むか

数値だけでなく、グラフの「形状」からもEAの特性を読み取れます。

資産曲線(Balance / Equity Curve)の読み方
✅ 健全な資産曲線
  • 右肩上がりで一定の傾き
  • 山・谷の振れ幅が小さい
  • ドローダウン後に短期間で回復
  • 長期的に見て傾きが安定
⚠ 要注意な資産曲線
  • 急上昇→大きな谷を繰り返す
  • Balance と Equity の乖離が大きい
  • 長期間横ばいが続く停滞期がある
  • 直近だけ急激に上昇している
Balance と Equity の乖離に注意:
BalanceはすでにCloseされた取引の累計損益。EquityはBalanceに現在の含み損益を加えたもの。EquityがBalanceを大きく下回っている状態は、現在大きな含み損を抱えていることを意味します。ナンピン・グリッドEAでは特にこの乖離が重要なリスクシグナルになります。
曜日・時間帯別分析の活用:
Myfxbookでは曜日別・時間帯別の成績分布も確認できます。「月曜日だけ成績が悪い」「深夜のポジションで大きな損失が出ている」といったパターンが見えれば、EAの稼働時間を絞る改善策が取れます。単純に「全体の利益率」だけで評価せず、どの条件で機能してどの条件で機能していないかを掘り下げることが分析の本質です。
⑦ 総合評価の考え方:複数指標を組み合わせて判断する

どの指標も単独では「良い/悪い」を断言できません。複数の指標を組み合わせて総合判断することが重要です。

// EA評価の3ステップ
1
「このEAは稼いでいるか?」 → Gain(利益率)・期待値・PFで確認
PF 1.3以上・期待値プラスであれば基本的な収益性は満たしている
2
「どれだけのリスクを取っているか?」 → Relative DD・リカバリーファクターで確認
DD 20%超はリスクが高い。リカバリーファクター 2.0以上を目安にする
3
「その成績は信頼できるか?」 → 取引回数・期間・シャープレシオで確認
取引回数100以上・運用期間6ヶ月以上あると統計的な信頼性が上がる
指標 優秀 良好 要注意 重要度
Profit Factor 1.8以上 1.3〜1.8 1.3未満 ★★★
Relative Drawdown 10%未満 10〜20% 20%超 ★★★
Recovery Factor 3.0以上 2.0〜3.0 2.0未満 ★★☆
Sharpe Ratio 2.0以上 1.0〜2.0 1.0未満 ★★☆
Expected Payoff 大きくプラス 小さくプラス マイナス ★★★

※ 上記の目安はスキャルピング・トレンド系の1エントリー1決済EAを想定。ナンピン・グリッド系はDDの許容基準が異なります。

分析の本質:「全指標が優秀である必要はない」が、「PF・DD・期待値の3つがすべてクリアできていないEAは使わない」を最低基準にすると、長期的に生き残りやすくなります。
⑧ 成績の公開機能と管理人の活用方法

Myfxbookには、自分の成績を第三者が閲覧できるURLを発行する「公開機能」があります。

公開機能でできること
  • 専用URLで第三者が成績を閲覧可能
  • 表示する指標・期間を選択できる
  • ウィジェットとしてWebサイトに埋め込み可能
  • 公開範囲(全公開・URL限定・非公開)を選択
EA販売・情報発信における意味
  • 「第三者が検証可能な実績」として信頼性が高い
  • バックテストではなくリアル口座の成績を示せる
  • 改ざんできない外部サービスのデータとして機能
  • 読者・購入者への透明性の担保になる
管理人(ふくろ坊)の活用方法

当サイトで公開しているEAのフォワード成績は、すべてMyfxbookに接続したリアル口座のデータを使っています。「バックテストは良いが本番では動かない」という問題を読者に正直に見せるため、フォワード実績の公開を原則にしています。

Myfxbookのデータは管理人が任意に操作できないため、「見せたい数字だけを出す」ことができない点が、信頼性の根拠になっています。EA一覧ページで各EAのMyfxbookリンクを公開しているので、ぜひ自分の目で指標を確認してみてください。

📝 この記事のまとめ
  • Myfxbookは取引履歴から数十種類の統計指標を自動算出してくれる無料サービス。MT5と投資家パスワードで接続するのが推奨。
  • 勝率だけでEAを評価しない。期待値・PF・Relative DDの3つをまず確認する。
  • PF 1.3以上・Relative DD 20%未満・期待値プラスが最低ライン。リカバリーファクター 2.0以上・シャープレシオ 1.0以上が良好の目安。
  • 資産曲線のBalanceとEquityの乖離はナンピン・グリッドEAの含み損リスクを示す重要なシグナル。
  • 公開機能を使えば第三者が検証可能な形でリアル成績を開示できる。管理人のEA成績もMyfxbookで公開中。
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EA選びで絶対に確認すべき5つの指標|DD・シャープレシオ

他人のEAを評価するときに見るべき指標と、購入前の判断基準を解説。

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